手足が冷えるタイプの冷え
― 頑張り屋さんの身体が出しているサイン ―
「手が冷たくて、なかなか温まらない」
「足先だけ、いつも冷えている」
そんな冷えを感じている方は、とても多いです。
でも実は、手足が冷える冷えには、はっきりした特徴があります。
それは、
身体が頑張りすぎているサインであることが多い、ということ。
今日は、その冷えについて、少しだけ一緒に見ていきましょう。
手足が冷えるのは、血が足りないからではありません
「血行が悪いんですよね」と言われることがありますが、
正確には、
血はあるけれど、手足まで届きにくくなっている
という状態です。
身体は寒さやストレスを感じると、
大切な臓器を守るために、
自然と血を中心に集めます。
その結果、
手や足は後回しになってしまうのです。
こんな方は、このタイプかもしれません
- 気を遣うことが多い
- 真面目で、つい頑張ってしまう
- 休むのが少し苦手
- 肩や首がこりやすい
心当たりがあれば、
あなたの冷えは「手足タイプ」かもしれません。
身体は、ずっと緊張したまま
手足が冷える方の多くは、
自分では気づかないうちに、
身体を“きゅっ”と緊張させています。
- 呼吸が浅く
- 肩が上がり
- お腹に力が入っている
この状態が続くと、
血管は開きにくくなり、
末端まで巡らなくなります。
冷えは、
「もっと力を抜いても大丈夫だよ」
という、身体からのメッセージかもしれません。
今日からできる、やさしい整え方
まずは「吐く息」を大切に
- 鼻から吸って
- 口から、ゆっくり長く吐く
これを2〜3回。
それだけで、
身体は少しずつ緩み始めます。
手足を「温める」より「動かす」
指を軽く動かす
足首をくるくる回す
強い運動でなくて大丈夫。
小さな動きが、巡りを呼び戻します。
首元を、そっと守る
首が冷えると、
手足の冷えも強くなります。
薄手のストールや、
襟元を覆うだけでも、
全身が温まりやすくなります。
鍼灸でできること
― 緊張をほどき、巡りを取り戻す ―
手足が冷えるタイプの方に対して、
鍼灸では、
- 首・肩・背中の緊張をゆるめ
- 自律神経のバランスを整え
- 血が末端まで届きやすい状態をつくる
ことを大切にします。
ただ温めるだけではなく、
「巡れる身体」に戻していくイメージです。
「治療後、手がぽかぽかしてきた」
そんな声をいただくことも少なくありません。
おわりに
手足の冷えは、あなたの優しさの証かもしれません。
手足が冷える方は、
周りをよく見て、よく気づく方が多いです。
でも、
その分だけ、
自分のことは後回しになりがち。
冷えは、
「そろそろ自分も労わってあげて」
という、身体からの静かな声。
無理に変えなくて大丈夫。
少しずつ、
力を抜く時間を増やしていきましょう。
あなたの身体は、
ちゃんと温まる力を持っています。
