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鍼灸物語第三話 旅人と鍼灸

〜からだをととのえ、こころをととのえる旅〜

カラン、コロン――

木の下駄が道の石をたたく音が、のどかに響きます。

時は江戸のころ。

東海道を歩いているのは、旅の途中の一人の旅人です。

重い荷物をかつぎ、何日もかけて山を越え、町から町へと歩いています。

 

  旅の途中で出会う“疲れ”

長い道を歩くと、足はパンパンに。

肩もこり、夜はぐっすり眠れません。

そんなとき、旅人が立ち寄るのが宿場町(しゅくばまち)。

お風呂やごはんでひと息つける場所です。

そして――宿のかたすみに、

「お灸(きゅう)」をすえる小さな道具がありました。

 

 旅人のお灸

旅人は、腰をおろし、もぐさを指先で小さく丸めます。

足のすねにある「足三里(あしさんり)」というツボの上にのせ、

火をつけると、ほのかな煙とよもぎの香りが立ちのぼりました。

じんわり、あたたかい。

痛くもなく、ただ心までとけていくようなぬくもり。

「ここにお灸をすると、また明日も元気に歩けるんだ。」

昔の旅人たちはそう言って、

疲れた足にお灸をすえ、体をととのえていたのです。

 

  旅と人生は、よく似ている

旅には、上り坂もあれば下り坂もあります。

天気のいい日もあれば、雨の日もあります。

人生も同じように、楽しい日があれば、つらい日もあります。

だからこそ、昔の旅人たちは知っていました。

「からだをととのえることは、心をととのえること。」

お灸のあたたかさは、体の疲れだけでなく、

「もうひとがんばりしよう」という気持ちをもあたためてくれたのです。

 

 宿場町のぬくもり

夜がふけるころ、宿の囲炉裏(いろり)の火が赤くゆれています。

旅人は足をのばし、湯気の立つお茶をすすりながら、

静かに明日の道を思い浮かべます。

「お灸のおかげで、また歩けそうだ。」

そのぬくもりの中には、

からだをいたわるやさしさ、

そして“生きる力”が込められていました。

 

 いまに生きる“旅の知恵”

現代の私たちも、

仕事や勉強、家のことなど、いろいろな道を歩いています。

疲れたときは、昔の旅人のように

少し立ち止まって、からだをいたわる時間を持ってみませんか?

温かいお風呂に入る。

深呼吸をする。

お灸でツボをあたためる。

それだけで、明日の一歩が軽くなるかもしれません。

 

  おわりに

昔の旅人たちは、お灸でからだをととのえながら、

心までまっすぐにして旅を続けました。

お灸のぬくもりは、

**「だいじょうぶ、また歩き出せるよ」**と語りかけてくれます。

あなたの毎日も、きっとひとつの“旅”。

今日も一歩ずつ、自分のペースで歩いていきましょう。

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