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呼吸は、意識で動かせる唯一の内臓 ― 生命と意識をつなぐ扉としての「肺」 ―

 いつもしている「呼吸」に、少し意識を向けてみませんか?

私たちは一日に、約2万回ほど呼吸をしています。

でも、その多くは無意識のうちに行われています。

心臓や胃、腸などの臓器は、自分の意思では動かせません。

けれど、肺だけは「意識」で動かすことができる臓器です。

「少し深呼吸しよう」と思えばできる。

「息を止めてみよう」と思えば止められる。

でも、意識を手放しても、呼吸は自然に続いてくれます。

つまり、呼吸は――

意識と無意識のちょうど真ん中にある存在なのです。

 

  呼吸が整うと、心が落ち着く理由

ゆっくり息を吐くだけで、心がすっと穏やかになることがあります。

それは、呼吸が自律神経と深くつながっているからです。

吸う息では「交感神経」が働き、体が少し活動的になり、

吐く息では「副交感神経」が働き、心が落ち着いていきます。

だから、呼吸を整えることは、

自分の神経をやさしく調律することでもあるのです。

東洋医学で言えば、肺は「気(き)を主る」臓。

全身にエネルギーをめぐらせ、

心と体のバランスをとる役割を持っています。

 

  東洋医学でみる「肺」という存在

古典『黄帝内経』には、

「肺は気の本(もと)、百脈の朝(あつまる)ところ」

とあります。

肺は“気の集まる中心”であり、

体全体の調和を司る存在です。

さらに、肺は「皮毛を主る」とされ、

体の表面と外の世界をつなぐ役割も持っています。

外界の空気を取り入れ、

内なる体を守る――まるで「世界との扉」。

その扉が固く閉じてしまうと、

呼吸は浅くなり、胸がこわばり、心まで閉じてしまいます。

逆に、肺がやわらかく開いている人は、

呼吸が深く、声が穏やかで、心もおだやかです。

 

  呼吸は「自分」と「世界」をつなぐリズム

私たちは、空気を吸って世界の“気”を取り入れ、

息を吐いて、自分の“気”を世界に返しています。

吸う息と吐く息のあいだで、

自分の生命と世界の生命が、静かに交わっているのです。

たとえば、私たちが吐いた息を植物が受け取り、

植物が作る酸素を私たちが吸う。

その循環の中で、

私たちは「生かされ」、

そして「生かしている」のです。

呼吸とは、

自分のためであり、同時に他者を生かす行為。

まさに「いのちの対話」そのものといえるでしょう。

 

 おわりに ― 呼吸という“やさしい扉”

呼吸は、私たちの中にある最も身近な“自然”です。

吸う息は、世界を迎える。

吐く息は、自分をゆだねる。

この繰り返しの中で、

私たちは「世界とともに生きている」ことを思い出します。

日々の中で、

ほんの数秒でも、呼吸を感じてみてください。

それだけで、体の奥から静かなやさしさがひろがっていきます。

 

 次回予告(未定)

次回は、もう一歩深く。

「生命と意識のあいだ ― 呼吸が橋渡しするもの」

をテーマに、

呼吸が“生きる力”と“心の在り方”をどうつないでいるのか、

一緒に探っていきましょう。

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